発足の背景と経緯

背景

黒部川電源開発とともに大正・昭和・平成の時代を歩んできた宇奈月温泉。
(宇奈月温泉の歴史は、こちら:宇奈月温泉旅館協同組合
黒部峡谷端部に位置する北陸有数の自然豊かな観光地であるが、全国の温泉地がそうであるように、年々入込客数が減少し、まち全体の活力が減退しつつあるという課題を抱えてきた。
また、観光客の交通手段が公共交通機関である電車から貸切観光バスや自家用車に移行することで、周辺道路の渋滞状況は、年々悪化してきており、排気ガスの問題や街歩きする観光客の安全の問題が指摘されるようになりました。

立ち上げ経緯

2009年(平成21年)3月、建設企業が地域の活性化を目指して異業種との連携により設立した協議会の活動を支援する目的で「建設業と地域の元気回復助成事業」の募集が行われ、富山県内の2つの建設企業が応募予定だった。

丸新志鷹建設株式会社
立山町:志鷹新樹社長
小水力発電を用いた建設現場で利用可能な非常用電源システム

大高建設株式会社
黒部市:大橋聡司社長
・水陸両用バスの導入による温泉街から宇奈月ダム湖遊覧事業
・欅平から祖母谷までのワゴン車による送迎・観光ガイド事業

志鷹社長は、この応募書類作成にあたり、知人である富山国際大学の上坂博亨教授に相談。
上坂教授は、この相談を受ける直前に、スイスのツェルマットへ電気自動車の視察に行って来たばかりで、ツェルマットと宇奈月温泉の立地条件が非常によく似ていることに着目。
2つの企業が協力して「宇奈月温泉における小水力発電と電気自動車を核とした低炭素社会型観光まちづくり」をテーマとした実験事業が実施できないかと上坂教授は、提案。
志鷹社長と大橋社長は、上坂教授の説明を受け、両企業が協力して事業に応募することとなった。
2009年4月事業に応募し、採択され、事業を行う運びとなり、7月に「黒部・宇奈月温泉観光活性化協議会」が設置され、「低炭素社会型観光まちづくり実行委員会」(通称:でんき宇奈月実行委員会)が組織された。

ツェルマットとは

  • スイス屈指の山岳リゾート
  • 氷河急行が走るマッターホルン・ゴッタルド鉄道の終点であり、ツェルマットからはスネガ、ゴルナーグラート、クライン・マッターホルン等にケーブルカーや登山鉄道が延びている環境保護のために、ツェルマットへのエンジンを搭載した自動車の乗り入れは規制されており、代わりに電気自動車や馬車が使用されている

ツェルマットと宇奈月温泉の共通点

  • コンパクトにまとまっている温泉街
  • 電車によるアクセスを有する
  • 背後に著名な山岳観光スポットを抱えている

これまでの活動 ⇒